
社労士事務所の経営完全ガイド|開拓・単価・採用・法人化【2026年版】
この記事の結論
社労士事務所の経営は『顧問先開拓→単価維持→採用・組織化→法人化』の順で拡大します。公式統計(連合会2024)では平均売上1,658万円・平均顧問33.2社で、1社あたり年約50万円(月約4.2万)が一つの目安です。だが1人事務所が5割強・平均従業員2.7人と小規模が大半で、スケールを止める最大の壁は業務の属人化。顧問先・案件・期限・書類を横断管理し標準化することが拡大と承継の前提になります。
社労士事務所をもう少し大きくしたい、けれど何から手を付ければよいか分からない——そう感じる開業社労士は少なくありません。顧問先を増やすべきか、顧問料を上げるべきか、人を採るべきか、法人化すべきか。判断材料となる「自分の事務所の現在地」が見えないまま、目の前の手続き業務に追われて1年が過ぎていく。本記事では、全国社会保険労務士会連合会の2024年度社労士実態調査という一次データを起点に、社労士事務所の規模・売上・顧問数の実像を確認し、「開拓→単価→採用→法人化」というスケールの4ステップを整理します。そして、多くの事務所で拡大を止めている共通の壁——業務の属人化——をどう解消するかまでを一気通貫で解説します。
社労士事務所の経営の現在地 — 公式統計で見る規模と売上
1人事務所が5割強 — 規模・従業員・顧問数・売上の実像
社労士事務所の経営を考える出発点は、業界全体の平均的な姿を知ることです。全国社会保険労務士会連合会の2024年度社労士実態調査(2024年11月公表)によると、開業社労士事務所の年間売上は平均約1,658万円、中央値は550万円でした。平均と中央値に差があるのは一部の大規模事務所が平均を押し上げているためで、売上1,000万円以上は3割強、1億円以上は約2%にとどまります(全国社会保険労務士会連合会)。
事務所の規模も小さく、社労士1人での経営が5割強、平均従業員総数は2.7人、従業員21人以上の事務所は0.9%です。1事務所あたりの平均顧問契約社数は33.2社でした(全国社会保険労務士会連合会)。下表に規模帯ごとの実像を整理します。

| 規模帯 | 全体での位置 | 体制の特徴 | 主な経営課題 |
|---|---|---|---|
| 1人事務所 | 5割強 | 所長が実務も営業も担当 | 時間の上限が売上の上限 |
| 2〜5人 | 中心層 | 補助者・有資格者が在籍 | 引き継ぎ・標準化 |
| 6人以上 | 少数(21人以上は0.9%) | 組織的に分業 | 品質維持と人材定着 |
事務所をスケールさせる4ステップ — 開拓・単価・採用・法人化
社労士事務所の拡大は、行き当たりばったりではなく「顧問先開拓→単価維持→採用・組織化→法人化」という順序で進めると見通しが立ちます。各段階で売上規模と必要な管理体制が変わります。

顧問先開拓と顧問料の考え方(公式統計からの逆算相場・単価維持)
事務所拡大の最初のエンジンは顧問先開拓です。ただし数を増やすだけでなく、1社あたりの単価を維持することが利益に直結します。顧問料の相場は明確な公式統計が乏しく、民間社労士法人の公開情報では、従業員5人未満の小規模事業所で月額2万円前後、30人規模で月額4〜5万円程度が一般的な目安とされます。これらはあくまで目安で、相場を固定的に保証するものではありません。
一方、連合会の公式統計から逆算する方法もあります。平均売上1,658万円を平均顧問33.2社で割ると、1社あたり年約50万円(月約4.2万円)。これは顧問料以外の業務(手続き・助成金・スポット)も含む試算ですが、自事務所の単価が大きく下回るなら、値付けや業務範囲を見直す余地があります(全国社会保険労務士会連合会の数値からの試算・目安)。

採用・組織化と法人化の判断軸(しきい値と一人法人の要件)
顧問先が所長1人で回せる限界(おおむね中央値550万円・平均33.2社の水準)を超えると、採用と組織化が次の論点になります。人を採るほど、業務を誰でも回せる形に標準化できているかが定着を左右します。
事業がさらに拡大し、所得分散や対外的信用、採用・組織化の必要が出てきた段階が法人化の一つの判断軸です。社労士業務を組織的に行える法人は社会保険労務士法人のみで(社会保険労務士法 第25条の6以下)、2016年1月からは社員1人の一人法人も設立できるようになりました(全国社会保険労務士会連合会)。設立は定款作成→法務局での設立登記→連合会への法人設立届の順で進めます。
| 判断軸 | 個人事務所のまま | 法人化の検討目安 |
|---|---|---|
| 売上 | 中央値550万円前後まで | 安定的に拡大 |
| 顧問数 | 平均33.2社程度 | 1人では回らない規模 |
| 体制 | 所長中心 | 採用・分業が前提 |
一人法人を設立する場合は、後継候補者届出書(法人様式第3号)と同意書(法人様式第4号)の提出が必要です(全国社会保険労務士会連合会)。法人税率や所得分散など税務面の判断は、税理士に相談してください。
スケールの壁は「属人化」— 管理体制を標準化する
ここまでの4ステップを止める共通の壁が、業務の属人化です。
解約を招く4要因と、期限・書類・案件の横断管理
1人事務所が5割強・平均従業員2.7人という構造の中では、顧問先・案件・期限・書類の情報が所長や担当者の頭、Excel、紙に分散しがちです。これが解約と拡大停滞の温床になります。顧問先が事務所を離れる主な要因は、レスポンスの遅延、期限の漏れ、進捗が見えない不安、書類の往復の煩雑さに分解できます。

これらは精神論ではなく仕組みで潰せます。顧問先・案件・期限・書類を一元的に横断管理し、年度更新や算定、36協定の事業場別起算などの期限を顧問先マスタから自動でアラートする。書類は顧問先のログイン不要・スマホ撮影・自動リマインドで回収する。社労士HUBはこの「申請前後の管理」を標準化するために設計されています。
| 解約要因 | 起きる理由 | 仕組みでの対策 |
|---|---|---|
| レスポンス遅延 | 担当者依存 | 案件の横断管理で抜け防止 |
| 期限漏れ | 手作業の管理 | 期限自動アラート |
| 進捗不可視 | 情報の分散 | 進捗の見える化 |
| 書類往復 | 紙・メール頼み | 書類回収ワークフロー |
既存申請ソフトはそのまま併用 — 管理だけ仕組み化する
標準化と聞くと「使っているソフトを乗り換えるのか」と身構えるかもしれません。社労士HUBはその逆で、e-Gov電子申請や給与計算は対象外。社労夢・オフィスステーションPro・Charlotte・Cells給与などの既存ソフトはそのまま使い続け、その前後にある顧問先・案件・期限・書類の管理だけを追加する併用設計です。申請ソフトを変えないため、乗り換えの障壁がほぼありません。

管理が標準化された事務所は、採用しても引き継ぎやすく、将来の事業承継も進めやすくなります。社労士HUBは1〜5名¥4,980/名・6名以上¥2,980/名〈税込〉・初期¥30,000・14日間無料(クレカ不要)で試せます。
よくある質問
Q. 社労士事務所の平均売上や顧問先数はどれくらいですか?
A. 連合会の2024年度社労士実態調査では、開業事務所の年間売上は平均約1,658万円・中央値550万円、1事務所あたりの平均顧問契約社数は33.2社です。1人での経営が5割強、平均従業員総数2.7人と小規模事務所が大半を占めます。
Q. 社労士の顧問料の相場はいくらですか?
A. 従業員規模で変動し、5人未満の小規模事業所で月額2万円前後、30人規模で月額4〜5万円程度が一般的な目安です。公式統計(平均売上1,658万円÷平均顧問33.2社)から逆算すると1社あたり年約50万円(月約4.2万円)が試算上の目安となりますが、相場を固定的に保証するものではありません。
Q. 社労士事務所はいつ法人化を検討すべきですか?
A. 売上・顧問先数・スタッフ数が拡大し、所得分散や採用・組織化の必要が出た段階が一つの判断軸です。2016年1月から社員1人の社労士法人(一人法人)も設立可能で、その場合は後継候補者届出書などの提出が必要です。税務面の判断は税理士に相談してください。
Q. 事務所の規模を拡大できない最大の原因は何ですか?
A. 業務の属人化です。1人事務所が5割強・平均従業員2.7人という構造の中で、顧問先・案件・期限・書類の情報が担当者の頭やExcel・紙に分散すると、採用しても引き継げず拡大も承継も進みません。管理体制の標準化がスケールの前提になります。
Q. 社労士HUBで電子申請や給与計算はできますか?
A. できません。社労士HUBは顧問先・案件・期限・書類の管理に特化したクラウドで、e-Gov電子申請や給与計算は社労夢・オフィスステーションPro等の既存ソフトをそのまま併用する前提です。申請ソフトは変えず、管理だけを仕組み化できます。
まとめ
社労士事務所の経営は、開拓・単価・採用・法人化という順序で拡大しますが、その全段階を支えるのは「業務が属人化していないこと」です。連合会2024年度調査が示す平均売上1,658万円・平均顧問33.2社・1人事務所5割強という現在地を踏まえ、自事務所がどの段階にいるかを見極めましょう。顧問先・案件・期限・書類を横断管理して標準化すれば、解約を防ぎ、採用した人がすぐ戦力になり、将来の事業承継も進めやすくなります。承継できる事務所とは、管理が標準化された事務所です。
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