【2026年版】36協定の更新期限管理|起算日バラバラ問題の解決法
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【2026年版】36協定の更新期限管理|起算日バラバラ問題の解決法

2026年6月30日19分で読める

この記事の結論 36協定は有効期間を1年とするのが望ましく、「起算日」(対象期間の開始日)が顧問先ごとに異なるため更新月がバラつき、一律のカレンダーでは管理できません。協定が有効でないまま時間外労働をさせると、それ自体が労働基準法違反となり是正勧告の対象になり得ます。顧問先マスタの起算日から更新期限を個別に自動計算し、多段階で通知する仕組みを使えば、取りこぼしを仕組みで減らせます。

顧問先を30社、50社と抱える社労士事務所にとって、毎年同じ時期に来る労働保険の年度更新や算定基礎届は「全社まとめて」処理できます。ところが36協定(時間外・休日労働に関する協定届)の更新だけは事情が違います。起算日が顧問先ごとにバラバラのため、更新月が年間を通じて分散し、一律のカレンダーやExcelでは取りこぼしが起きやすいからです。しかも協定が失効すれば、その時点から残業をさせること自体が違法になります。本記事では、有効期間と起算日の基本、更新月がバラつく理由、複数顧問先の更新を仕組みで管理する方法を、行政の一次情報に沿って解説します。

36協定の更新期限とは?有効期間と起算日の基本

36協定には有効期間を定める必要があり、期間が満了すれば再締結・再届出をしなければ効力が切れます。まずは「いつまでが有効か」を決める2つの要素、有効期間と起算日を押さえます。

36協定に有効期間が必要な理由と「1年が望ましい」行政運用

時間外・休日労働は本来禁止されており、36協定はその例外を一定期間だけ認める仕組みです。期限のない例外は認められないため、協定には必ず有効期間を定めます。厚生労働省は、この有効期間を「有効期間を1年とするのが望ましい」としています(出典: 厚生労働省「36(サブロク)協定とは」確かめよう労働条件)。

実務上は1年以外の期間も定められますが、行政の運用はこれと一致しません。労働基準監督署は、1年以外の有効期間を定めた36協定について窓口で指導文書を交付し、次回締結時の検討を促す対応を実施しており、厚生労働省も適正化に係る指導通知を発出しています(出典: 労働新聞「36協定有効期間 1年以外は指導文書交付」)。「1〜3年で設定できる」とする古い解説も見られますが、現行の行政スタンスは1年を主軸に置くのが安全です。

起算日(対象期間の開始日)とは何か・どう決まるか

起算日とは、36協定が対象とする1年間の開始日のことです。この「起算日」は、事業年度の開始日・暦年(1月1日)・給与締切日など、事業場ごとに任意で設定できます(出典: 厚生労働省「36(サブロク)協定とは」確かめよう労働条件)。有効期間1年であれば、更新期限は起算日から1年後の前日に決まります。

なお、2021年4月1日から36協定届の様式が変更され、一般条項は様式第9号、特別条項付きは様式第9号の2を使用します(出典: 厚生労働省「36(サブロク)協定とは」確かめよう労働条件)。届出の前提となる起算日の考え方は、下表のように整理できます。

起算日の決め方から有効期間1年を経て更新期限が決まる流れ
起算日の決め方から有効期間1年を経て更新期限が決まる流れ
起算日の決め方対象期間の開始日(例)有効期間1年の場合の更新期限
事業年度に合わせる4月1日翌年3月31日
暦年に合わせる1月1日12月31日
給与締切日に合わせる毎月21日起算など起算日から1年後の前日

なぜ顧問先ごとに更新月がバラつくのか(起算日問題)

起算日が事業場ごとに自由に決められるということは、顧問先の数だけ更新月が散らばる可能性があるということです。ここに、年度更新や算定基礎届とは異なる管理の難しさがあります。

起算日が事業場ごとに任意設定だから更新月が分散する構造

ある顧問先は事業年度に合わせて4月起算、別の顧問先は暦年で1月起算、さらに別の顧問先は給与締切に合わせる——このように起算日が異なると、当然ながら「更新月が分散」します。年度更新(例年6月1日〜7月10日)や算定基礎届(提出期限7月10日)のように全顧問先で時期が一致する制度とは、管理の性質が根本的に違います。

下図は、起算日の傾向別に顧問先30社の更新月がどう散らばるかを示した仮定モデル(実績ではなく前提を明示した試算)です。一律のカレンダーでは全体像をつかみにくいことが分かります。

顧問先30社の36協定更新月の月別分散イメージ
顧問先30社の36協定更新月の月別分散イメージ
更新が集中しやすい時期起算日の傾向想定件数(仮定モデル・30社)
4月前後事業年度4月開始が多い11社
1月前後暦年で管理6社
7月・10月前後下期・四半期の区切り7社
その他の月給与締切・設立月基準6社

更新を忘れて36協定が失効するとどうなるか

36協定が有効でない状態で時間外労働・休日労働をさせると、「協定が失効した時点から残業が違法」になり、是正勧告の対象になり得ます。年度更新の遅延(追徴金が課されることがある)や算定基礎届の誤りとは異なり、36協定の失効は残業をさせた瞬間に違反が成立する点で実害が直接的です。

全顧問先で時期が一致する制度ほど記憶に残りやすい一方、バラつく36協定は見落としやすいのが実情です。下表のように制度を「一律期限」と「顧問先別にバラつく期限」に分類すると、リスクの所在がはっきりします。

36協定失効時の影響と全顧問先一律期限と顧問先別期限の分類
36協定失効時の影響と全顧問先一律期限と顧問先別期限の分類
制度期限の性質見落としやすさ
労働保険の年度更新全顧問先ほぼ一律(例年6/1〜7/10)低い(毎年同時期)
算定基礎届全顧問先一律(提出期限7/10)低い(毎年同時期)
36協定の更新顧問先ごとにバラつく高い(年間で分散)
助成金の申請取組ごとの段階別締切高い(個別)

複数顧問先の36協定更新を取りこぼさない管理法

更新月がバラつく以上、「全社まとめて」処理する発想は通用しません。鍵は、起算日という個別の情報から更新期限を機械的に割り出し、通知まで自動化することです。

Excel・紙・汎用カレンダーで一律管理が破綻する理由

Excelや紙、汎用カレンダーは身近な手段ですが、36協定の管理では限界があります。起算日が顧問先ごとに違うため「一律の日付では管理できない」からです。Excelは起算日からの計算とリマインドを手作業で行う必要があり属人化しやすく、汎用カレンダーも起算日から更新期限を自動計算する機能はなく手入力が前提になります。

管理手段ごとの長所と短所の比較
管理手段ごとの長所と短所の比較
管理手段長所短所
Excel・スプレッドシート無料で自由に作れる起算日ごとの計算・通知が手作業/属人化しやすい
紙・ファイル管理導入の手間がない横断検索・自動通知ができない
汎用カレンダー通知機能がある起算日から更新期限を自動計算できず手入力前提
顧問先別に自動計算する仕組み起算日から自動算出・多段で通知導入と初期設定が必要

顧問先別の起算日から更新期限を自動計算する仕組み

取りこぼしを減らす近道は、顧問先マスタに起算日を登録し、そこから更新期限を自動で割り出すことです。「顧問先マスタの起算日から自動計算」できれば、更新月がいくら分散していても、期限が近づいた協定だけを自動で抽出し、段階的に通知できます。汎用カレンダーやExcelでは難しい、起算日起点の自動計算がここでの差になります。

社労士HUBは顧問先マスタに起算日を登録しておくと、有効期間1年の更新期限を自動で計算し、期限が近づくと段階的に通知します。申請そのものはe-Govや既存ソフトで行い、社労士HUBは「更新期限の取りこぼし防止」だけを担います。

ここで重要なのはスコープの線引きです。社労士HUBは申請ソフトではなく、電子申請はe-Govや社労夢、オフィスステーションProなど既存の手段をそのまま併用します。社労士HUBが担うのは更新期限の検知・通知・進捗管理です。「期限漏れが必ず防げる」といった断定はできませんが、自動計算と多段通知という機能で「取りこぼしを仕組みとして減らす」アプローチです。

顧問先マスタの起算日から更新期限を自動計算し多段通知する流れ
顧問先マスタの起算日から更新期限を自動計算し多段通知する流れ

よくある質問

36協定の有効期間は何年が適切ですか?

厚生労働省は有効期間を1年とするのが望ましいとしています。1年以外で締結すると、労働基準監督署が窓口で指導文書を交付し次回締結時の検討を促す対応をとる場合があります(出典: 厚労省 確かめよう労働条件/労働新聞)。

36協定の起算日はどう決めればよいですか?

起算日(対象期間の開始日)は事業年度の開始日・暦年・給与締切日など事業場ごとに任意で設定できます。そのため顧問先ごとに更新月がバラつきます。

36協定の更新を忘れて失効するとどうなりますか?

36協定が有効でない状態で時間外労働・休日労働をさせると、それ自体が労働基準法違反となり、是正勧告の対象になり得ます。年度更新や算定基礎届のような全顧問先一律の期限と違い見落としやすい点に注意が必要です。

複数の顧問先の36協定更新を一律のカレンダーで管理できますか?

起算日が顧問先ごとに異なるため、一律の日付では管理できません。顧問先マスタごとの起算日から更新期限を個別に自動計算する仕組みが有効です。

社労士HUBで36協定の電子申請(e-Gov提出)はできますか?

いいえ。社労士HUBは申請ソフトではありません。e-Govや社労夢・オフィスステーションProなど既存の申請手段はそのまま併用し、社労士HUBは更新期限の検知・通知・進捗管理(取りこぼし防止)を担います。

まとめ

36協定は有効期間1年が望ましく、起算日が顧問先ごとに異なるため更新月が年間で分散します。年度更新や算定のような一律期限と違い見落としやすく、失効すれば「残業が即座に違法」となります。汎用カレンダーでは起算日からの自動計算ができないため、顧問先マスタの起算日から更新期限を割り出し、多段階の通知で抜け漏れを防ぐ仕組み化が有効です。


期限の取りこぼしを仕組みで減らす

顧問先ごとにバラつく36協定の更新期限も、顧問先マスタの起算日から自動計算し、多段階の通知で抜け漏れを防ぎます。申請は今お使いのe-Gov・既存ソフトのまま、期限管理だけを追加できます。

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