
育児時短就業給付金の申請手続き|対象要件・賃金証明書・2か月ごとの申請を社労士向けに解説【2025年4月新設】
この記事の結論 育児時短就業給付金は、2歳未満の子を養育するため所定労働時間を短縮して就業し、賃金が低下した雇用保険の被保険者に、各支給対象月の賃金額の原則10%を給付する2025年(令和7年)4月新設の制度です。事業主が初回の支給申請までに賃金証明書を提出し、以降は原則2か月ごとに支給申請書を事業所管轄のハローワークへ提出します(出典: 厚生労働省・ハローワーク「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」)。
育児時短就業給付金は2025年4月に新設されたばかりで、育児休業給付や出生後休業支援給付金と名前が似ており、対象月や申請時期を取り違えやすい制度です。支給申請も原則2か月ごとに繰り返すため、複数の顧問先を抱える事務所では期限の取りこぼしが起きがちです。この記事では、支給要件・支給額、必要書類、2か月ごとの申請スケジュールと提出期限を実務目線で解説します。
育児時短就業給付金とは(2025年4月新設の制度概要)
対象・支給額・申請サイクルの観点から、まず全体像を早見表で確認します。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施行日 | 2025年(令和7年)4月1日に新設 |
| 対象者 | 2歳未満の子を養育するため週の所定労働時間を短縮して就業する雇用保険の被保険者 |
| 支給額(原則) | 各支給対象月の賃金額の10分の1が原則(開始時賃金月額のおおむね9割以下の月) |
| 支給限度額 | 471,393円(2026年7月時点・毎年8月1日に改定) |
| 最低限度額 | 算定額が2,411円以下の月は不支給(2026年7月時点) |
| 申請サイクル | 原則2か月ごと(希望する場合は1か月ごとも可) |
| 提出先・提出者 | 事業所を管轄するハローワーク(原則は事業主が提出) |
| 根拠条文 | 雇用保険法第61条の12 |
(出所: 厚生労働省・ハローワーク「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」をもとに社労士HUB〔YDAIコンサルティング株式会社〕が整理)
制度の目的と支給額(賃金のおおむね1割)
育児のための短時間勤務による収入減を緩和する給付です。支給額は原則、各支給対象月の賃金額の10%相当額で、開始時賃金月額より賃金が90%以下に下がった月が対象です(出典: 厚生労働省・ハローワーク「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」)。賃金が90%超から100%未満の月は支給率が逓減し、100%以上の月は不支給です。開始時賃金月額には上限・下限があり、2026年7月時点で上限483,300円です。
育児休業給付・出生後休業支援給付金との違い
名前の似た3給付は、対象となる「状態」で切り分けます。育児休業給付は休業した月、出生後休業支援給付金は出生直後の一定期間の休業への上乗せ、育児時短就業給付金は就業しつつ賃金が下がった月が対象で、育児休業給付とは同じ月に併給できません。

産休・育休から時短就業へ移る一連の流れは産休・育休の手続きの流れと期限(全体像)、出生直後の休業を支える給付は出生後休業支援給付金の申請手続きで扱っています。
社労士が押さえる新設ポイントと施行日(2025年4月)
本給付は2025年(令和7年)4月1日の雇用保険法改正で新設され、受給要件は同法第61条の12に定められています(出典: 厚生労働省・ハローワーク)。支給対象が「休業」ではなく「時短就業」である点が実務の要です。また、同日より前から育児のために時短就業していた被保険者も、その日を開始日とみなし要件を満たせば2025年4月以降の各月が対象になり得ます(賃金が下がっていない月は不支給)。
対象者の要件と対象判定フロー
受給資格は「子の養育」「時短就業」「被保険者期間」の3点で判定します。下のフローで、子の年齢 → 時短就業の有無 → 被保険者期間の順に確認すると、対象・対象外を短時間で切り分けられます。

3つの支給要件(2歳未満の子・時短就業・賃金低下)
受給資格は、(1)2歳未満の子を養育、(2)週の所定労働時間を短縮して就業、(3)被保険者期間の要件を満たし、かつ賃金が低下するなど一定の要件を満たすことが必要です(出典: 厚生労働省・ハローワーク「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」)。対象は一般被保険者と高年齢被保険者です。(3)は、育児休業給付の対象だった育休から続けて時短就業を始めたか、開始日前2年間にみなし被保険者期間(賃金支払基礎日数11日以上、なければ80時間以上の完全月)が通算12か月以上あるか、で満たします。
対象外・不支給になるケースと注意点
要件を満たしても、月単位で不支給になることがあります。賃金が開始時賃金月額の100%以上の月は不支給、算定額が最低限度額(2026年7月時点で2,411円)以下の月も支給されません(出典: 厚生労働省・ハローワーク)。月の初日から末日まで続けて育児休業給付・介護休業給付を受けられる休業を取得した月、高年齢雇用継続給付を受けた月も対象外です。賃金額が支給限度額(同時点で471,393円)以上の月も支給されません。
必要書類と所定労働時間短縮開始時賃金証明書
使う書類は、事業主が届け出る賃金証明、支給申請書、添付書類に分かれます。

| 区分 | 書類 |
|---|---|
| 賃金の届出 | 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書(育休から引き続き開始した場合は不要) |
| 支給申請書(初回) | 育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書 |
| 支給申請書(2回目以降) | 育児時短就業給付金支給申請書 |
| 添付書類 | 賃金台帳・出勤簿・タイムカード・労働条件通知書等(初回は母子健康手帳等も) |
(出所: 前掲リーフレットをもとに社労士HUBが整理)
提出書類一覧と添付資料(賃金台帳・出勤簿等)
支給申請書にはマイナンバーの記載が必要です。添付書類は、賃金額・支払状況・短縮後の週所定労働時間・開始日を確認できる賃金台帳・出勤簿等で、初回は育児の事実や出産日を確認できる母子健康手帳等も必要です(育休から引き続き開始した場合は一部省略可)。
所定労働時間短縮開始時賃金証明書の記入例(独自データ)
賃金証明書の正式名称は「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書」で、事業主が「育児時短就業開始時賃金の届出」として提出します。届け出た開始時賃金月額が各月の支給額や逓減・不支給の判定基準になるため、記入誤りは支給額に直結します。提出は初回の支給申請を行う日までで、受給資格確認・初回申請と同時提出も可能です。育児休業給付の対象だった育休から引き続き開始した場合は提出不要です(出典: 厚生労働省・ハローワーク)。
2か月ごとの支給申請スケジュールと手続きの流れ
手続きは初回の受給資格確認・支給申請から始まり、以降は原則2か月ごとに繰り返します。

| 区分 | 対象 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 初回申請 | 最初の支給対象月(開始日の属する月) | その月の初日から起算して4か月以内 |
| 2回目以降 | 指定された次回の支給対象月 | 「次回支給申請日指定通知書」で指定される4か月以内の期間 |
(出所: 前掲リーフレットをもとに社労士HUBが整理)
初回申請から2か月ごとの申請までの流れ
初回は、事業主が賃金証明書を提出したうえで「育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書」を提出し、2回目以降は「育児時短就業給付金支給申請書」で申請します。申請は原則、事業主が事業所管轄のハローワークへ行い、本人希望時は本人の直接提出も可能です(賃金の届出は事業主が行う)(出典: 厚生労働省・ハローワーク)。支給対象期間は開始日の属する月から終了日の属する月までで、子が2歳に達する日の前日の属する月などが上限です。
2か月ごとの支給申請スケジュール早見表(独自データ)
支給申請は原則、2つの支給対象月について2か月ごとに行い、被保険者が希望する場合に限り1か月ごとの申請も可能です。各暦月が「支給対象月」ですが、申請サイクルは原則2か月ごとである点を取り違えないようにします。初回は最初の支給対象月の初日から起算して4か月以内、2回目以降は「次回支給申請日指定通知書」で指定される期間内に提出します。指定を過ぎると当該分を受けられないおそれがあり、対象者ごとの次回申請期限の管理が欠かせません。
e-Gov電子申請と2か月ごとの期限管理の実務
賃金の届出・受給資格確認・支給申請は、いずれもe-Govで電子申請できます。資本金・出資金の額が1億円を超える法人などの特定法人は、育児時短就業給付の支給申請も電子申請が義務化の対象です(出典: 厚生労働省・ハローワーク)。申請自体はe-Govや既存の申請ソフトで行い、社労士HUBは対象者管理と2か月ごとの提出期限・回収状況だけを一元化します。
申請自体はe-Govや既存の申請ソフト(社労夢・オフィスステーションPro等)をそのまま使い、社労士HUBは対象者ごとの次回申請期限を自動通知し、回収と提出進捗だけを管理します。申請ソフトを乗り換えず、2か月ごとの取りこぼしを仕組みで減らせます。
よくある質問
育児時短就業給付金はいつから始まった制度ですか?
2025年(令和7年)4月1日に、雇用保険法改正で新設された給付です。なお、同日より前から育児のために時短就業していた被保険者も、その日を開始日とみなし要件を満たせば2025年4月以降の各月が対象になり得ます(出典: 厚生労働省・ハローワーク「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」)。
育児時短就業給付金の支給額はいくらですか?
原則、各支給対象月に支払われた賃金額の10%相当額です(開始時賃金月額の90%以下の月)。90%超から100%未満の月は支給率が逓減し、100%以上の月は不支給です。支給限度額などの具体額は毎年8月1日に改定されます(出典: 厚生労働省・ハローワーク)。
育児時短就業給付金の申請は毎月必要ですか?
いいえ。支給申請は原則、2つの支給対象月について2か月ごとに行い、希望する場合に限り1か月ごとも可能です。各暦月が「支給対象月」ですが、申請サイクルは原則2か月ごとである点に注意します(出典: 厚生労働省・ハローワーク)。
所定労働時間短縮開始時賃金証明書はいつ提出しますか?
事業主が「育児時短就業開始時賃金の届出」として、初回の支給申請を行う日までに提出します(正式名称は「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書」)。育児休業給付の対象だった育休から引き続き開始した場合は提出不要です(出典: 厚生労働省・ハローワーク)。
育児休業給付金と育児時短就業給付金は同時にもらえますか?
同一の月では併給できません。月の初日から末日まで続けて育児休業給付を受けられる休業を取得した月は受けられず、就業して賃金が下がった月が対象です。育休から時短勤務へ移る際に切り替えます(出典: 厚生労働省・ハローワーク)。
まとめ
育児時短就業給付金は、2歳未満の子を養育するため時短就業し、賃金が低下した雇用保険の被保険者に、各支給対象月の賃金額の原則10%を給付する2025年4月新設の制度です。受給資格は子の養育・時短就業・被保険者期間で判定し、賃金が開始時の90%以下に下がった月が支給対象です。事業主は初回の支給申請までに賃金証明書を提出し、以降は原則2か月ごとに支給申請書をハローワークへ提出します。各暦月が支給対象月ですが、申請サイクルは原則2か月ごとという違いの取り違えを防ぐことが、取りこぼし防止の要点です。
2か月ごとの申請期限を落とさない
社労士HUBは顧問先・案件・期限・書類の管理に特化し、e-Gov電子申請や給与計算は行わず既存ソフトと併用します。2か月ごとの提出期限や賃金データの回収状況を、対象者ごと・顧問先横断で一元管理できます。月額¥4,980/名(税込・6名以上¥2,980/名)、初期¥30,000(税込)。
補足: 「育児時短就業給付金 対象判定フロー+賃金証明書の記入例+2か月ごと申請スケジュール早見表」(社労士向けチェックリスト)を無料でダウンロードできます。
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