
離職区分コード一覧|1A〜5Eの判定基準と給付・助成金への影響【2026年版】
この記事の結論 離職区分コードは離職証明書に記載する1A〜5Eの記号で、解雇・雇止め・自己都合などの離職理由を分類し、特定受給資格者・特定理由離職者・一般離職者の別と給付制限の有無を決定づける判定基準です。
従業員が退職すると、社労士事務所は顧問先に代わって離職証明書を作成し、離職理由に応じた離職区分コードを記載します。この区分ひとつで退職者の失業給付の日数や給付制限が変わり、顧問先が申請する雇用関係助成金の可否にも影響します。この記事では、離職区分コード1A〜5Eの一覧と判定基準を早見表で示し、失業給付・助成金への影響と、判定でそろえる資料までを事業主・社労士の目線で解説します。
離職区分コードとは?離職証明書での位置づけ
離職区分コードの読み方(数字=離職理由区分・アルファベット=細分)

離職区分コードは、数字とアルファベットを組み合わせた記号です。先頭の数字(1〜5)が離職理由の大区分を、続くアルファベットが理由の細分を示します。数字は1が解雇、2が契約期間の満了・雇止め、3が正当な理由のある自己都合、4が正当な理由のない自己都合、5が重責解雇に対応します。この記号は事業所を管轄するハローワークが離職証明書で用い、退職者の離職票にも反映されます(出典: ハローワーク「雇用保険に関する業務取扱要領」)。
離職区分コードと離職理由コード・喪失原因コードの違い
退職手続きでは似た区分が複数登場します。離職区分コードは離職証明書に記載し、失業給付の受給資格や給付制限を判定するための詳細な区分です。一方、雇用保険被保険者資格喪失届の「喪失原因」欄は、事業主都合か否かといった大きな区分を記載します。離職区分コードのほうが離職理由を細かく分類するため、どの書類のどの欄を見ているかを確認しておくと、給付や助成金の判断のずれを防げます。
離職区分コード1A〜5E一覧と判定基準【早見表】

離職理由ごとの区分と失業給付への影響を1枚に整理したのが次の早見表です。まず全体像を押さえ、続いて系統別に判定のポイントと必要な根拠を確認します。
| 区分 | 離職理由(要点) | 受給資格の種類 | 給付制限 | 主な確認資料 |
|---|---|---|---|---|
| 1A | 解雇(1B・5Eを除く) | 特定受給資格者 | なし | 解雇通知書 |
| 1B | 天災等で事業継続が不可能な解雇 | 特定受給資格者 | なし | 罹災・状況記録 |
| 2A | 特定雇止め(通算3年以上・予告あり) | 特定受給資格者 | なし | 契約書・雇止め通知 |
| 2B | 特定雇止め(更新明示あり) | 特定受給資格者 | なし | 契約書・更新の明示 |
| 2C | 期間満了(更新明示なし・本人は更新希望) | 特定理由離職者 | なし | 契約書・更新希望の記録 |
| 2D | 契約期間満了(2A〜2Cを除く) | 一般受給資格者 | なし | 雇用契約書 |
| 2E | 定年・移籍出向 | 一般受給資格者 | なし | 就業規則・辞令 |
| 3A | 事業主の働きかけによる自己都合 | 特定受給資格者 | なし | 退職勧奨の記録 |
| 3B | 事業所移転に伴う自己都合 | 特定受給資格者 | なし | 移転通知 |
| 3C | 正当な理由のある自己都合(3A・3B・3D以外) | 特定理由離職者 | なし | 疎明資料 |
| 3D | 正当な理由のある自己都合(被保険者期間6〜12月) | 特定理由離職者 | なし | 退職届・疎明資料 |
| 4D | 正当な理由のない自己都合 | 一般受給資格者 | 原則1か月 | 退職届 |
| 5E | 重責解雇(本人の重大な責め) | 一般受給資格者 | 3か月 | 就業規則・懲戒記録 |
出所: 厚生労働省・ハローワーク「雇用保険に関する業務取扱要領」および「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲」をもとに社労士HUB(YDAIコンサルティング株式会社)が整理。受給資格の種類・給付制限の最終判定はハローワークが行います。4Dの給付制限は離職日が令和7年4月1日以降の原則で、過去5年に2回以上の自己都合離職があれば3か月です。
解雇系(1A・1B・5E)の判定と必要な根拠
解雇でも扱いは分かれ、重責解雇(5E)だけは特定受給資格者でなく一般受給資格者で、原則3か月の給付制限がかかります。懲戒解雇が必ず5Eとは限らないため、就業規則違反の事実や懲戒手続きの記録をそろえてハローワークの判定に備えます(出典: ハローワーク「雇用保険に関する業務取扱要領」)。
雇止め・期間満了系(2A〜2D)の判定
有期契約の終了に関わる2A〜2Dは、契約期間の通算・更新の明示・雇止め通知の有無と、本人が更新を希望したかで該当区分が変わります。判断の裏づけは雇用契約書の更新条項や更新希望の記録になるため、契約書とやり取りを保管しておきます(出典: ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲」)。
自己都合系(3A〜3D・4D)の判定
自己都合退職は正当な理由の有無で扱いが分かれます。退職勧奨(3A)や事業所移転(3B)など正当な理由があれば特定受給資格者・特定理由離職者となり、正当な理由のない自己都合(4D)は一般受給資格者で給付制限がかかります。退職届の理由だけで判断せず、退職勧奨の記録や疎明資料で実態を裏づけることが重要です(出典: ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲」)。
離職区分が失業給付に与える影響

特定受給資格者・特定理由離職者・一般離職者の違い
失業給付では離職区分をもとに受給資格が3つに分類されます。特定受給資格者は、倒産・事業所の廃止・解雇(重責解雇を除く)など再就職の準備をする余裕なく離職を余儀なくされた人、特定理由離職者は、本人が更新を希望したのに更新されなかった雇止めや体力の不足・疾病などにより離職した人です。これらに当てはまらない自己都合退職などが一般受給資格者で、特定受給資格者と特定理由離職者(正当な理由のある自己都合離職者を除く)は所定給付日数が一般より手厚くなる場合があります(出典: ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲」)。
給付制限期間の2025年4月改正(原則2ヶ月→1ヶ月)
正当な理由のない自己都合退職(4D)では、受給資格決定日から7日間の待期満了後、一定期間は基本手当が支給されない給付制限がかかります。この期間は、離職日が令和7年(2025年)4月1日以降なら原則1か月で、それ以前の原則2か月から短縮されました。ただし退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けている場合は、当該離職の給付制限が3か月です。また令和7年4月以降にリ・スキリングのための教育訓練等を受けた場合は給付制限が解除されます。これらは雇用保険法第33条による給付制限です(出典: 厚生労働省・都道府県労働局「給付制限期間が短縮又は解除されます(令和7年4月)」)。
所定給付日数の目安(区分・年齢・被保険者期間別)
所定給付日数は、離職区分から導かれる受給資格の種類に加え、離職時の年齢と被保険者であった期間の組み合わせで決まります。特定受給資格者と一部の特定理由離職者は日数が段階的に設定され、一般の自己都合退職者より手厚くなる場合があります。具体的な日数は最新の所定給付日数表をハローワークの公式資料で確認して案内します(出典: ハローワーク)。
離職区分が雇用関係助成金に与える影響

会社都合離職が助成金の不支給要件になるケース
雇用関係助成金の多くには、支給対象期間内に事業主都合による離職者(解雇・退職勧奨・事業縮小や賃金の大幅な低下など)を発生させていないこと、という共通要件があります。離職区分でいえば解雇(1A)や事業主の働きかけによる退職(3A)が関わり、該当者がいるとその対象期間分が不支給になります。特定求職者雇用開発助成金やキャリアアップ助成金が代表例で、対象期間の月数は助成金・コース・年度で異なるため、各助成金の支給要領で最新の要件を確認します(出典: 厚生労働省「雇用関係助成金 各助成金に共通の要件」)。
判定を誤ったときのリスクと事後訂正の手順
離職区分の判定を誤ると、退職者が本来より不利な給付制限を受けたり、事業主が助成金の不支給要件への該当を見落としたりするおそれがあります。特に実態は退職勧奨(会社都合)なのに自己都合として処理すると、退職者とのトラブルに加え助成金を受けられなくなりかねません。退職者は離職票の離職理由に異議を申し立てることができ、双方の疎明資料をもとに判断されます。誤りに気づいたら管轄のハローワークに相談して訂正します(出典: ハローワーク「雇用保険に関する業務取扱要領」)。
離職区分の判定で社労士事務所がそろえる資料と実務
区分別に回収・保管すべき確認資料(退職届・退職勧奨記録・雇止め通知)
離職区分は事業主が記載しますが、ハローワークの最終判定では裏づけ資料が問われます。区分別の主な資料は、解雇(1A・1B)は解雇通知書や状況記録、雇止め(2A〜2C)は雇用契約書・雇止め通知と更新希望の記録、退職勧奨による自己都合(3A)は面談記録、その他の正当な理由のある自己都合(3B・3C・3D)は移転通知や診断書などの疎明資料、正当な理由のない自己都合(4D)は退職届です。退職時に会社側が行う手続きと期限は退職手続き 会社側の期限・書類 完全ガイドに、離職証明書に記載する賃金の集計は離職証明書の賃金支払基礎日数の数え方にまとめています。
顧問先からの資料回収と判定記録を一元管理する

複数の顧問先を抱える事務所では、退職のたびに散らばった退職届・雇用契約書・面談記録を集め直す必要があり、誰からどの資料を受け取りどの区分で判定したかが記憶やメールに依存すると、後から根拠を示せず困ることがあります。社労士HUBは顧問先・案件・期限・書類の管理に特化したクラウドで、顧問先はログイン不要のURLからスマホで資料を提出でき、未提出には自動リマインド、回収資料と判定メモは案件に紐づけて一元管理できます。e-Gov電子申請や給与計算は行わず既存の申請ソフトはそのまま併用できます。
よくある質問
離職区分コードの1Aと2Aはどう違いますか?
1Aは、重責解雇(5E)や天災等による解雇(1B)を除いた通常の解雇に用い、離職者は特定受給資格者に該当します。2Aは、雇用期間が通算3年以上で雇止めの通知があった特定雇止めで、こちらも特定受給資格者です。両者は離職理由が「解雇」か「有期契約の雇止め」かで異なりますが、受給資格の種類はいずれも特定受給資格者です。該当区分はハローワークが最終判定します(出典: ハローワーク「雇用保険に関する業務取扱要領」)。
離職区分5Eはどんなときに使いますか?
5Eは、被保険者本人の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)に用いる区分です。該当すると一般受給資格者となり、失業給付に原則3か月の給付制限がかかります。懲戒解雇が必ず5Eになるわけではなく、就業規則違反の事実や解雇に至った経緯など実態をもとにハローワークが判定します(出典: ハローワーク「雇用保険に関する業務取扱要領」)。
離職区分で失業給付の給付制限は変わりますか?
変わります。特定受給資格者や特定理由離職者に該当する区分(1A・1B・2A〜2C・3A〜3Dなど)では給付制限はかかりません。正当な理由のない自己都合退職(4D)は、離職日が令和7年(2025年)4月1日以降なら原則1か月です(それ以前は原則2か月)。ただし退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合退職して受給資格決定を受けている場合は3か月です。重責解雇(5E)の給付制限も3か月です(出典: 厚生労働省・都道府県労働局「給付制限期間が短縮又は解除されます(令和7年4月)」)。
会社都合の離職があると助成金は受けられなくなりますか?
多くの雇用関係助成金には、支給対象期間内に事業主都合による離職者(解雇や退職勧奨など)を発生させていないこと、という共通要件があります。該当する離職者がいると、その対象期間分が不支給になります。特定求職者雇用開発助成金やキャリアアップ助成金などが代表例で、雇入れや直接雇用の前後の一定期間が判定対象です。対象期間の月数は助成金・コース・年度で異なるため、支給要領で最新の要件を確認します(出典: 厚生労働省「雇用関係助成金 各助成金に共通の要件」)。
離職区分は事業主が自由に決められますか?
いいえ。離職証明書に離職理由を記載するのは事業主ですが、離職区分の最終判定はハローワークが行います。退職者は離職票の離職理由に納得できない場合、ハローワークに異議を申し立てることができ、双方の疎明資料をもとに実態に即して判断されます。そのため、退職届・退職勧奨の記録・雇用契約書など判定の根拠となる資料をそろえ、実態と整合する区分を記載することが求められます(出典: ハローワーク「雇用保険に関する業務取扱要領」)。
まとめ
離職区分コードは、離職証明書に記載する1A〜5Eの記号で、特定受給資格者・特定理由離職者・一般受給資格者の別と給付制限の有無を左右します。解雇(1A・1B)や事業主の働きかけによる退職(3A)は特定受給資格者で給付制限がかからず、正当な理由のない自己都合(4D)は原則1か月、重責解雇(5E)は3か月の給付制限がかかります(給付制限期間は令和7年4月に原則2か月から1か月へ短縮)。区分の判定は事業主が行いますが最終判定はハローワークであり、根拠資料の整備が欠かせません。
離職証明書の資料回収を、仕組みで確実に
社労士HUBは顧問先・案件・期限・書類の管理に特化したクラウドです。e-Gov電子申請や給与計算は行わず、既存の申請ソフトと併用しながら、退職届・雇止め通知・退職勧奨記録などの回収と判定記録の一元管理を支えます。月額¥4,980/名(税込・6名以上¥2,980/名)、初期¥30,000(税込)。
補足: 記事の「離職区分1A〜5E 給付・助成金影響早見表」をチェックリストとして使い、区分ごとにそろえる資料を確認するところから始められます。
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