
算定基礎届の書き方|社労士のミス防止と7/10提出期限【2026年版】
この記事の結論
算定基礎届は、7月1日時点の全被保険者について4〜6月(支払基礎日数17日以上の月)の報酬から標準報酬月額を決める定時決定の届出で、提出期限は7月10日です。社労士にとっては顧問先全社で同時期に発生し、労働保険の年度更新(6/1〜7/10)とも重なるため、記入ミス以上に「全顧問先の7/10取りこぼし防止」が最大の実務リスクになります。申請はe-Govや既存の申請ソフトで行い、期限の検知・進捗管理は社労士HUBのような仕組みで一元化するのが安全です。
毎年7月、社会保険の算定基礎届の提出期限がやってきます。算定基礎届は被保険者一人ひとりの標準報酬月額を決め直す重要な手続きですが、社労士事務所にとっては顧問先30〜50社分を同時にさばく繁忙のピークでもあります。しかも同じ7月10日には労働保険の年度更新も締め切りを迎え、書類の山に追われる中で「どこかの顧問先の提出を忘れていた」という取りこぼしが最大のリスクになります。本記事では算定基礎届の書き方と頻出ミスを整理したうえで、社労士が顧問先横断で「全顧問先の7/10取りこぼし防止」を実現するための管理の考え方までを解説します。
算定基礎届とは?定時決定の仕組み(提出期限7/10)
算定基礎届の定義と提出期限(7/10)
算定基礎届(被保険者報酬月額算定基礎届)は、毎年7月に行う定時決定のための届出です。提出期限は7月10日で、日本年金機構は6月中旬より順次、様式等を事業所へ送付します(出典: 日本年金機構「令和8年度の算定基礎届のご提出について」)。7月10日が土日祝にあたる場合は翌営業日にずれます。まずは全体像を早見表で確認しましょう。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出の名称 | 被保険者報酬月額算定基礎届 |
| 対象者 | 7月1日現在で使用される全被保険者 |
| 対象期間 | 4月・5月・6月(支払基礎日数17日以上の月) |
| 提出期限 | 7月10日(土日祝なら翌営業日) |
| 決まるもの | 標準報酬月額(その年の9月以降に適用) |
定時決定で標準報酬月額が決まる仕組み(4〜6月・支払基礎日数17日以上)
定時決定とは、実際の報酬と標準報酬月額のズレを年に一度見直す仕組みです。7月1日現在で使用される全被保険者について、4月・5月・6月の報酬総額を、支払基礎日数17日以上の月数で割った額を報酬月額とし、これをもとに新しい標準報酬月額が決まります(出典: 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」)。決定された標準報酬月額は、原則としてその年の9月から翌年8月まで適用されます。報酬の集計から決定までの流れを図で確認します。

算定基礎届の書き方|記入手順と頻出ミス
記入手順(対象者の確定→報酬の集計→報酬月額の算出)
算定基礎届の記入は、大きく3ステップで進めます。第一に対象者の確定です。7月1日時点の全被保険者を洗い出し、6月入社者や退職予定者など対象外となる人を切り分けます。第二に報酬の集計です。4〜6月それぞれの支払基礎日数と報酬月額を記入し、17日未満の月は算定の対象から除きます。第三に報酬月額の算出です。17日以上の月の報酬総額を該当月数で割り、平均額を求めます。この平均額が新しい標準報酬月額の根拠になるため、対象月の取り違えや集計漏れは決定額のズレに直結します。
報酬に含む/含まないの判定(通勤手当・現物給与・賞与)
報酬月額には、基本給だけでなく各種手当も含めて集計します。判定を誤りやすい代表例を整理します。
| 区分 | 算定への扱い |
|---|---|
| 通勤手当 | 報酬に含む(3か月・6か月定期は月割りで算入) |
| 残業手当・役職手当 | 報酬に含む |
| 現物給与(社宅・食事など) | 都道府県別の標準価額で換算し報酬に含む |
| 賞与(年3回以下) | 算定基礎届の報酬には含めない(賞与支払届で別途処理) |
| 慶弔見舞金・出張旅費 | 報酬に含めない |
通勤手当や現物給与の扱いは見落としが多く、含め漏れがあると標準報酬月額が実態より低く決まってしまいます。逆に、本来含めない賞与や実費弁償的な手当を入れると過大決定の原因になります。
記入ミス早見表(支払基礎日数17日未満・随時改定との重複・70歳以上被用者)
記入段階で頻出するミスを、NG記入とOK記入で対比した早見表にまとめました。

| 項目 | NG記入 | OK記入(一次根拠: 日本年金機構) |
|---|---|---|
| 支払基礎日数 | 17日未満の月も平均に含める | 17日以上の月のみで平均する |
| 対象月 | 7月や3月の報酬を入れる | 4・5・6月のみを対象にする |
| 随時改定との重複 | 月額変更該当者も算定で提出 | 随時改定該当者は対象から外す |
| 70歳以上被用者 | 通常の被保険者と同じ届出 | 70歳以上被用者該当届と整合させる |
| 現物給与 | 金額換算せず空欄 | 標準価額で換算して算入する |
7月は年度更新と重なる繁忙ピーク|社労士の期限管理
年度更新(6/1〜7/10)と算定(7/10)が重なる7月の構造
社労士にとっての7月は、制度の締め切りが一点に集中する月です。労働保険の年度更新の申告・納付期間は毎年6月1日から7月10日まで(土日祝を除く)で、前年度の確定保険料の精算と新年度の概算保険料の申告・納付を同時に行います(出典: 厚生労働省「労働保険の年度更新とは」)。そして算定基礎届の提出期限も同じ7月10日です。つまり全顧問先で年度更新と算定が同時並行で走るため、1社あたりの作業量に顧問先数を掛けた負荷が一気に膨らみます。

顧問先横断で7/10を取りこぼさない管理(申請ソフトは併用・期限管理だけ一元化)
ここで効いてくるのが、制度を「全顧問先一律で発生するもの」と「顧問先ごとにバラつくもの」に分けて管理する視点です。年度更新と算定は全社一律で7/10に発生する一方、36協定の更新や助成金の申請期限は顧問先ごとに起算日が異なります。たとえば36協定は有効期間を1年とするのが望ましいとされ、起算日は事業場ごとに任意に設定するため更新月が顧問先ごとにバラつきます(出典: 厚生労働省「36(サブロク)協定とは」)。キャリアアップ助成金のように、計画書の提出から支給申請まで段階別の締切を持つ制度もあります(出典: 社労士ナビ)。Excelや紙の台帳では、この性質の違う期限を横断的に追い切れず、取りこぼしが起きやすくなります。

期限漏れは顧問先の実害に直結します。年度更新の手続きが遅れると、政府が保険料額を決定したうえで追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)を課すことがあります(出典: 厚生労働省「労働保険の年度更新とは」)。算定の誤りは標準報酬月額の過不足や遡及訂正につながります。
算定や年度更新の申請そのものはe-Govや既存の申請ソフト(社労夢・オフィスステーションPro等)をそのまま使い、社労士HUBは顧問先全社の7/10提出期限を顧問先マスタから自動計算・多段通知して、提出進捗だけを一元管理します。申請ソフトを乗り換えずに、期限の取りこぼしを仕組みで減らせます。
よくある質問(FAQ)
提出・対象に関するよくある質問
Q. 算定基礎届の提出期限はいつですか?
A. 提出期限は7月10日です(土日祝にあたる場合は翌営業日にずれます)。日本年金機構は6月中旬より順次様式を事業所へ送付します。(出典: 日本年金機構「令和8年度の算定基礎届のご提出について」)
Q. 算定基礎届の対象になるのは誰ですか?
A. 7月1日現在で使用される全被保険者が対象です。4月・5月・6月のうち支払基礎日数17日以上の月の報酬総額を月数で割り、報酬月額として標準報酬月額を決定します(定時決定)。(出典: 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」)
Q. 支払基礎日数が17日未満の月はどう扱いますか?
A. 支払基礎日数17日未満の月は算定の対象月から除外し、17日以上の月のみで報酬月額を算出します。3か月とも17日未満など例外的な場合は別の取り扱いとなります。(出典: 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」)
スコープ・ツールに関するよくある質問
Q. 算定基礎届と随時改定(月額変更届)はどう違いますか?
A. 算定基礎届は毎年7月の定時決定の届出で、随時改定は固定的賃金の大幅変動時に随時行う届出です。随時改定に該当する被保険者は算定基礎届の対象から外れる場合があるため、重複に注意が必要です。
Q. 算定基礎届は社労士HUBで電子申請できますか?
A. いいえ。社労士HUBは申請を行うツールではなく、申請はe-Govや既存の申請ソフト(社労夢・オフィスステーションPro等)をそのまま併用します。社労士HUBは顧問先全社の7/10提出期限を顧問先マスタから自動計算・多段通知し、提出進捗を一元管理して取りこぼしを防ぐ役割です。
まとめ
算定基礎届は、7月1日時点の全被保険者について4〜6月(支払基礎日数17日以上)の報酬から標準報酬月額を決める定時決定の届出で、提出期限は7月10日です。記入では支払基礎日数17日未満の月の扱いや報酬の範囲、随時改定との重複に注意が必要です。社労士にとってはこの算定が労働保険の年度更新と完全に重なるため、個々の記入精度に加えて「全顧問先の7/10を一件も落とさない」期限管理の仕組みづくりが、繁忙期を乗り切る鍵になります。
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