副業・兼業の労働時間通算|顧問先を横断する管理モデル
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副業・兼業の労働時間通算|顧問先を横断する管理モデル

2026年9月15日19分で読める

副業・兼業の労働時間管理は、労働者からの申告、他の勤務先に関する情報、各勤務先の実績を更新できる運用設計から始めます。勤務先が複数あるという事実だけで一律に通算せず、労働基準法と労働時間規制が各就業に適用されるかを先に確認します。通算対象なら、契約時の所定労働時間と開始後の所定外労働時間を異なる順序で積み上げます。

この記事では、通算対象・対象外、通算する規定・しない規定、労働者から集める情報、確認頻度を整理します。社労士事務所は、顧問先ごとの対象者と回答待ちを横断表示しつつ、勤務先間で共有してよい情報の範囲を分けて管理します。将来の制度変更を前提にせず、現在確認できる法令と厚生労働省ガイドラインに沿って運用を組み立てます。

副業・兼業の労働時間通算とは|管理情報の早見表

通算判断に必要な契約・実績情報を整理する

労働基準法第38条第1項は、事業場を異にする場合も労働時間に関する規定の適用について労働時間を通算すると定めています。「事業場を異にする場合」には事業主を異にする場合も含まれることが、昭和23年5月14日付け基発第769号で示されています。副業先が別会社でも、通算対象となる就業なら両方の時間を確認します。

一方、労働基準法自体が適用されないフリーランス、アドバイザー、顧問、理事等や、労働時間規制が適用されない管理監督者、高度プロフェッショナル制度の対象者等の時間は通算されません。契約名や役職名だけで結論を出さず、就労実態と適用制度を確認します。通算対象外でも、就業時間が長くならないよう申告等から状況を把握する配慮は別に検討します。

判断情報入手元確認時点記録する内容
他の勤務先の事業内容労働者の申告開始前・変更時使用者、事業場、事業内容
従事する業務内容労働者の申告開始前・職務変更時業務、契約形態、就労実態
通算対象か契約・制度情報受付時・制度変更時適用判断、確認資料、確認者
契約時間労働契約情報締結・更新時契約日、期間、所定日・時間、始終業
所定外労働労働者の申告見込み変更時有無、見込み時間、最大時間
実労働時間労働者の申告合意した確認頻度実績、申告日、対象期間
副業・兼業の労働時間が通算される範囲
副業・兼業の労働時間が通算される範囲

労働者・顧問先・社労士事務所の役割を決める

厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、労働基準法第32条の法定労働時間を勤務先間で通算します。労働基準法第36条第6項第2号・第3号の時間外労働と休日労働の合計も通算し、単月100時間未満、複数月平均80時間以内を確認します。これに対し、36協定の限度時間と特別条項の1年の上限、休憩、休日、年次有給休暇は勤務先間で通算しません。

関係者主な役割記録する証跡
労働者他の勤務先、契約時間、実労働時間、変更を申告する申告日、対象期間、変更内容
各使用者自社時間と申告で把握した他社時間を通算管理する集計、確認日、対応判断
顧問先担当者対象者、申告方法、確認頻度、回答期限を運用する依頼、督促、回答、社内判断
社労士事務所確認項目と更新手順を設計し、案件証跡を整理する受付票、確認履歴、助言記録

通算対象となる労働者を使用するすべての使用者は、労働者からの申告等で他の勤務先の実労働時間を把握し、自社の時間と通算します。社労士事務所が横断表を持っても、各使用者の管理を代替するものではありません。労務監査サービスの項目設計へ組み込む場合は、通算対象、申告方法、確認頻度、未回答時の処理を点検項目にします。

通算する規定と関係者ごとの役割分担
通算する規定と関係者ごとの役割分担

労働時間情報を収集・更新する手順

申告項目・確認頻度・更新契機を定める

受付時には、他の使用者の事業内容、従事する業務内容、労働時間通算の対象となるかを確認します。通算対象なら、他の使用者との契約締結日・期間、所定労働日・所定労働時間・始業終業時刻、所定外労働の有無・見込み時間数・最大時間数、実労働時間等の報告手続、確認頻度まで労働者と確認します。項目ごとに申告者、確認者、対象期間を持たせます。

所定労働時間は労働契約の締結順に通算し、法定労働時間を超える部分は後から契約した使用者側で確認します。副業・兼業の開始後に生じる所定外労働時間は、実際に発生した順で通算します。契約更新、所定日・時間の変更、所定外労働の見込み変更、実績の乖離を更新契機として案件を開きます。

確認頻度は必ずしも毎日である必要はありませんが、労働基準法を守るために必要な頻度で実労働時間を把握します。頻度は固定せず、時間が基準へ近づく状況や所定外労働の増加に応じて見直します。申告の対象期間と締切を明示し、回答がないことを労働時間ゼロとして扱わないようにします。

副業情報の申告項目・確認頻度・更新契機
副業情報の申告項目・確認頻度・更新契機

顧問先を横断して実績と対応案件を管理する

次の横断管理モデルは、顧問先、対象者、他の勤務先、契約時間、実績、申告日、更新契機、確認者、要対応事項を、社労士HUBの顧問先台帳、案件管理、期限、書類回収、対応履歴、カスタム項目へ対応づけた運用設計です。YDAIコンサルティング株式会社が実装済みの管理項目を基に整理したもので、統計、顧客事例、労働時間の自動判定機能を示すものではありません。各顧問先の申告を同じ形式で追うための事務所内モデルです。

横断管理項目社労士HUBの実装項目管理内容
顧問先・対象者顧問先台帳、カスタム項目対象事業場、対象者識別子
他の勤務先カスタム項目事業内容、業務内容、適用判断
契約時間カスタム項目、案件記録契約日、期間、所定日・時間、始終業
実績・申告日書類回収、対応履歴実労働時間、対象期間、受領日
更新契機カスタム項目、期限契約変更、見込み変更、次回確認日
確認者・要対応事項担当者、ステータス、対応履歴回答待ち、再確認、顧問先判断

所定労働時間と所定外労働時間を分け、前者には契約順、後者には発生順を記録します。事務所内では顧問先を横断して回答待ちを一覧化しつつ、他の顧問先へ個人情報や勤務実績を見せない権限設定が必要です。勤務先間の情報共有は労働者の申告を基礎にし、社労士事務所が一方の顧問先情報を無断で移す運用にしません。

対象者、契約時間、実績、申告日、回答待ちを顧問先横断で追う画面を確認できます。社労士HUBを無料で製品体験し、自事務所の副業・兼業管理モデルを具体化してください。

社労士HUBで管理する副業・兼業の顧問先横断モデル
社労士HUBで管理する副業・兼業の顧問先横断モデル

情報が不足した場合の確認ルートを決める

未回答・遅延・契約変更を例外案件として切り分ける

申告が未回答または遅延している場合は、依頼日、対象期間、回答期限、再確認日、連絡先、顧問先の判断待ちを例外案件へ記録します。未確認時間をゼロとみなしたり、前回実績を今期の実績として転記したりせず、確認済み時間と未確認範囲を分けます。社労士業務の期限管理とつなげ、次の集計や労働予定より前に再確認できる期限を置きます。

契約日・期間、所定労働日・時間、始業終業、所定外労働の見込みが変わった場合は、新旧条件と適用日を残して所定時間を再通算します。実労働時間の訂正が届いた場合は、対象期間、訂正前後、申告者、確認者、通算結果への影響を記録します。申告が遅れた事実と、その時点で各使用者が行った確認・対応を同じ履歴から追えるようにします。

通算対象外と判断した就業も、契約形態や役割が変われば適用判断をやり直します。フリーランスや役員という名称だけで対象外を固定せず、就労実態と労働時間規制の適用を確認します。判断根拠が不足する場合は完了にせず、追加資料と確認担当を指定した案件として残します。

未回答・遅延・契約変更を例外案件に分ける流れ
未回答・遅延・契約変更を例外案件に分ける流れ

副業・兼業の労働時間管理でよくある質問

労働者からどの情報を集めますか。

まず、他の使用者の事業内容、他の勤務先で従事する業務内容、労働時間通算の対象となるかを確認します。通算対象なら、契約締結日・期間、所定労働日・時間、始業終業時刻、所定外労働の有無・見込み時間数・最大時間数を集めます。さらに、実労働時間等の報告手続と確認頻度を決め、申告日、対象期間、変更内容を記録します。情報の確認元、回答者、回答日、回答方法等も残し、契約情報と実労働時間の報告を同じ更新日で上書きしません。

他の勤務先の情報が遅れた場合はどうしますか。

未確認のまま完了扱いにせず、依頼日、回答期限、再確認日、連絡先、確認済み時間、未確認範囲を案件へ残します。各使用者は労働者からの申告等で他の勤務先の実労働時間を把握するため、再申告の方法と顧問先側の判断担当を明確にします。遅れて届いた実績で通算結果が変わる場合は、訂正前後と対象期間を記録し、必要な対応を顧問先と確認します。次回の報告日を決め、未確認時間が残る間は例外案件として表示します。

労働時間通算のルール変更は決まっていますか。

将来の見直し案や検討情報を、施行済みのルールとして断定してはいけません。この記事では、労働基準法第38条と厚生労働省の公開ガイドラインで確認できる取扱いに基づき、通算対象、通算順、確認事項を整理しています。公開時には現行法令と厚生労働省の最新案内を確認し、検討段階の情報と施行済みの内容を分けて扱います。確認した資料名、版、確認日と担当者を残し、更新があれば影響する対象者を再点検します。

まとめ|申告と更新履歴を対象者別に残す

副業・兼業の労働時間通算では、適用対象を判定し、所定労働時間を契約締結順、所定外労働時間を発生順に積み上げます。各使用者は労働者の申告等から他の勤務先の実績を把握し、通算する規定としない規定を分けて管理します。顧問先、対象者、契約時間、実績、申告日、確認頻度、更新契機、未回答範囲を案件に残し、将来の制度変更を先取りせず現行資料で更新しましょう。

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